等方性ネオジムボンド磁石「NEOQUENCH-P」
ダイドー電子のネオジム・ボンド磁石"NEOQUENCH-P"は超急冷法によって作られたネオジム・鉄・ボロン(NdFeB)粉末を樹脂で結合させたプラスチック・ボンド磁石です。
ダイドー電子は、ネオジム・ボンド粉末を原料として1986年"NEOQUENCH-P"の開発に着手し、当社独自の配合・成形・コーティング・着磁技術により、高特性、かつ寸法精度の高いボンド磁石として、エポキシ系の圧縮成形品及びナイロン/PPS系の射出成形品を完成させ1987年、日本で最初に商品化しました。
特殊電着法の開発と耐熱性の改善により、高性能でクリーンな磁石を実現しています。
NEOQUENCH-Pの用途例
NEOQUENCH-Pは等方性磁石であり磁場成形が必要な異方性磁石とは異なり、製造工程中に磁場が無く、磁粉末付着などのコンタミ対策が容易です。
コストパフォーマンスに優れパソコン、携帯、各種センサ等多用されます。
NEOQUENCH-Pの成型方法
NEOQUENCH-Pは射出成形と、圧縮成形による2つの成形方法があります。
射出成形品
射出成形品とは、Nd磁粉末と高機能樹脂を配合したコンパウンド原料を射出成形したものです。等方性ボンド磁石としては、耐熱性、高特性を含め幅広い磁気特性をカバーしております。射出成形は形状の自由度が高く、部品との一体成形やニ材成形も可能であり、お客様からの幅広いニーズにお応えしております。
射出成形品の特徴
- Nd系等方性ボンド磁石としてはハイレベルの磁気特性を有しています。
- 等方性のため、着磁方向を自由に選ぶことができます。特に多極着磁には有利です。
- 射出成形は寸法精度が良く、量産性が優れています。
- 薄肉品(Min0.3mm)、複雑形状のものが製造できます。※1
- バックヨーク・ハブ・シャフトなどの金属、又は、他の樹脂などに一体成形による製造が可能です。
- 樹脂の配合率が高く、錆びにくいため無コーティングでご使用できます。※2
- 1 形状により肉厚0.3mmの製造が困難な場合がありますので弊社、営業部までご相談ください。
- 2 使用条件により、塗装が必要な場合がありましたら射出成形に適したコーティングもご用意していますので弊社、営業部までご相談ください。
また、NEOQUENCH-Cは射出成形で製造するNdFeBボンド磁石用コンパウンドです。NEOQUENCH-Cのご使用により、高特性のNdFeBボンド磁石の製造ができます。
ニ材成形
ニ材成形とは、磁粉末、樹脂と同時に成形したものです。
二材成形の特長
- 接着工程や組立工程の削減
- 同軸度精度が向上
- 製造コスト低減
圧縮成形品
圧縮成形品とは、磁粉末とバインダーを混練してプレス成形したものです。射出成形品よりも更に高い水準の特性を実現しています。
圧縮成形品の特徴
- Nd系等方性ボンド磁石としてはハイレベルの磁気特性を有しています。
- 等方性のため、着磁方向を自由に選ぶことができます。特に多極着磁には有利です。
- 薄肉品(Min0.3mm)から製造できます。※1
- 独自のコーティング技術により、優れた防錆性能を発揮します。
1 形状により肉厚0.3mmの製造が困難な場合がありますので弊社、営業部までご相談ください。