製品情報

等方性SmFeNボンド磁石「NITROQUENCH-P」

Sm-Fe系合金を超急冷法により、微細結晶粒を有する粉末にし、窒化処理を施したSmFeN系磁石粉末を、樹脂で結合させた等方性ボンド磁石です。

等方性ボンド磁石としては、世界最高レベルの磁気特性(BH)max=112 kJ/m3と優れた耐食性および熱安定性を示します。

写真:磁石

NITROQUENCH-Pの特徴

原料粉
大同特殊鋼(株)のオリジナル製法によるものです。
等方性ボンド磁石として最高レベルの磁気特性
NdFeB系ボンド磁石を超え(BH)max 98 〜 112 kJ/m3
優れた耐食性
無塗装で使用可能
優れた熱安定性
磁束密度の温度係数α -0.05 %/℃ 〜 -0.07 %/℃(-20〜120℃)
長期熱安定性
NdFeB系に比べ、長期的な熱安定性に優れます。
着磁性
飽和磁界の強さHsは2400 kA/m(30 kOe)レベルで、 NEOQUENCH-Pに比べ、高い磁界が必要
多極着磁される場合などで着磁印加電圧を上げられない時は、弊社にて着磁についてサポートさせていただきます。

NITROQUENCH-Pの用途例

NITROQUENCH-Pは等方性磁石であり磁場成形が必要な異方性磁石とは異なり、製造工程中に磁場が無く、磁粉末付着などのコンタミ対策が容易です。
コストパフォーマンスに優れパソコン、携帯、各種センサに多用いただいております。

NITROQUENCH-Pの成型方法

NITROQUENCH-Pは射出成形と、圧縮成形による2つの成形方法があります。

図:NITROQUENCH-Pの成型方法

射出成形品

射出成形品とは、磁粉末と高性能樹脂を配合したコンパウンド原料を射出成形したものです。等方性ボンド磁石としては、耐熱性、高特性を含め幅広い磁気特性をカバーしております。射出成形は形状の自由度が高く、部品との一体成形やニ材成形も可能であり、お客様からの幅広いニーズにお応えしております。ニ材成形は他部品と磁石の同時成形により接着工程の省略、同軸度精度が向上し、量産コスト低減に役立ちます。

射出成形磁石

他部材や高機能樹脂と一体成形した磁石組立品

射出成形品の特徴

  1. 等方性磁石としては最高レベルの磁気特性を有しています。
  2. 等方性のため、着磁方向を自由に選ぶことができます。特に多極着磁には有利です。
  3. 射出成形は寸法精度が良く、量産性が優れています。
  4. 薄肉品(Min0.3mm)、複雑形状のものが製造できます。※1
  5. バックヨーク・ハブ・シャフトなどの金属、又は、他の樹脂などに一体成形による製造が可能です。
  6. 樹脂の配合率が高く、錆びにくいため無コーティングでご使用できます。※2
  • 1 形状により肉厚0.3mmの製造が困難な場合がありますので弊社、営業部までご相談ください。
  • 2 使用条件により、塗装が必要な場合がありましたら射出成形に適したコーティングもご用意していますので弊社、営業部までご相談ください。

ニ材成形

ニ材成形とは、磁粉末、樹脂と同時に成形したものです。

図:二材成形

二材成形の特長

  • 接着工程や組立工程の削減
  • 同軸度精度が向上
  • 製造コスト低減

圧縮成形品

圧縮成形品とは、磁粉末とバインダーを混練してプレス成形したものです。射出成形品よりも更に高い水準の特性を実現しています。

圧縮成形磁石

シャフトやヨーク材などに接着、または一体嵌合による磁石組立品

圧縮成形品の特徴

  1. 等方性磁石としては最高レベルの磁気特性を有しています。
  2. 等方性のため、着磁方向を自由に選ぶことができます。特に多極着磁には有利です。
  3. 薄肉品(Min0.3mm)から製造できます。※1
  4. 独自のコーティング技術により、優れた防錆性能を発揮します。

1 形状により肉厚0.3mmの製造が困難な場合がありますので弊社、営業部までご相談ください。

NITROQUENCH-Pの特性&詳細データ

材料特性

磁気特性

着磁特性

塗装・コーティング

使用上の注意事項